日本語能力試験を受験しないと
日本の大学や大学院を受験することすらできない
日本語を母語としない人の日本語能力を測定し認定する「日本語能力試験」。現在、全世界50以上の国と地域、200以上の都市で合計77万人が受験している。中国での受験者数は、じつに約35万人にも達している。
日本語能力試験では、日本語の文字や語彙、文法についてどのくらい知っているかを「言語知識(文字・語彙・文法)」で測定し、その知識を実際のコミュニケーションでいかに使えるかを「読解」と「聴解」という試験科目で測る。つまり、日本語能力試験とは「使える日本語の能力」がどの程度なのかを測定する試験といえるのだ。
しかし、日本留学を志す中国の学生にとって、とりわけ日本の大学院への留学を目指している学生にとって日本語能力試験は、単に「使える日本語の能力」を測定し、認定するだけの試験ではない。もっと重要な意味を持つ試験である。じつは、日本の大学院の多くが、留学生を受け入れる際の条件として「日本語能力試験の受験」を義務付けているのだ。たとえば中央大学では2011年春に中国で実施予定の大学院入試で「日本語能力N1の取得」を受験資格としている。早稲田大学や日本大学など、その他の大学でも留学生が大学院を受験する際には「日本語能力試験N2の合格通知書」、あるいは「日本語能力試験N1の成績証明書」など、日本語能力試験の受験結果の提出を求めている。つまり、日本の大学院への留学を希望する中国の学生にとって、「日本語能力試験の受験は必須」といえ、日本語能力試験を受験していなければ、日本の大学院を受験することすらできないのである。
また、日本の大学院だけではなく、日本の日本語学校や専門学校、大学に留学を希望する学生にとっても日本語能力試験を受験することは重要な意味を持つ。日本に留学するには、「留学」の在留資格を申請し、留学ビザを取得しなければならない。ある大学の関係者によると「留学の在留資格を申請する際に日本語能力試験など、日本語能力を証明できる試験を受験していない学生の場合、在留資格を認定されないケースが非常に多い」という。日本の大学院への進学だけでなく、日本留学を目指す学生にとっても日本語能力試験を受験しておくことが重要なのだ。
来年10月以降に日本留学を目指すなら
今年12月の日本語能力試験の受験を忘れずに
さて、現在、日本語能力試験は毎年7月と12月の年2回実施されている。それぞれの試験で合否の結果が通知されるのは2~3カ月後だ。毎年7月に実施される試験を受験した場合は9月頃に、12月の試験を受験した場合は翌年2月から3月にかけて試験結果が発表される。
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